トラヨの冒険
旦那の前のマンションの隣の部屋はしばらく空き家だった。
空き家とうちがベランダ繋がってるタイプだった。
ある日母子家庭の母と息子が引っ越してきた。
息子は黒人とのハーフらしかった。小学生。
しばらくは平和にしていたのだけど、どうやら母に彼氏ができたようだ。
もちろんブラックマン。
それから、土曜日になると肩にラジカセかかえた黒人がホームパーティを開き始めた。
こんなやつ。
ヘーイじゃねぇよ!ここは日本の閑静な住宅街。
それくらいのころから、家に帰るとトラヨが見えないことが増えた。
しばらく呼んでたらベランダから出てきた。
このときは常にベランダの窓をすこし開けていて簡単に冒険できるようにしていた。
しばらくして謎が発覚した。
旦那がチーズ食べてたら猛烈に食べたがる。そう猛烈に。こんなことなかったのに。
まさか!と、旦那とベランダの隣との境目を見に行ったら、塞いでいた網が外されていた。
そう。トラヨはお隣に冒険しにいっていたのだ。
一体何を食わされていたのか、何か食べてると無心に催促してきやがる。
安いおんなめ!
人の食べ物はもちろん猫にも美味しいけど、塩分油分が多すぎるからあげてはいけない。
のに!
徹底的に隣に行けないように塞いだら
布団干してる時にベランダから隣の母が
「おたくの猫ちゃんよく遊びにきてたの。かわいいからまた来させてね🎵」
塩分はただでさえなりやすい猫の慢性腎不全を助長する。
私は小さい人間です。
そんくらいいいじゃんとはできないのです。
こいつも怪しいし。
てゆーかこいつだし。
しばらくしたら隣から異国の言葉の怒号が鳴り響き、
なにやら壁にぶつけてる音がして、
ドアを荒く閉めて彼氏は去っていったよう。
なんの挨拶もなく数週間で母子は去っていった。
ちゃんちゃん